「とてもいい人なんです。でも、好きになれる気がしなくて……」

結婚相談所で婚活をしていると、こんな相談を受けることがあります。

お相手は誠実で、仕事もきちんとしている。話し方も穏やかで、失礼なことを言うわけでもない。

プロフィールの条件だって悪くない。

それなのに、なぜか気持ちが動かない。

「こんなにいい人なのに、好きになれない自分がおかしいのでしょうか?」

いいえ。そんなことはありません。

そもそも、いい人であることと、自分がその人を好きになることは、まったく別の話なのです。

今日は、婚活で多くの人がぶつかる「いい人なのに好きになれない」という問題について、少し深く考えてみたいと思います。

① 「いい人」は結婚相手の合格通知ではない

まず最初にお伝えしたいのは、「いい人」という評価は、あくまでも人間としての評価だということ。

優しい。真面目。誠実。仕事熱心。金銭感覚もしっかりしている。

どれも素晴らしい長所です。

結婚相手としても大切な要素でしょう。

しかし、それだけで「だから結婚したい」となるかといえば、そう簡単ではありません。

例えば、職場にとても尊敬できる上司がいたとします。

人柄も素晴らしく、仕事もできる。

でも、その人と結婚したいと思うかどうかは別問題ですよね。

婚活も同じです。

相手を人間として高く評価することと、人生のパートナーとして選びたいと思うことは、必ずしも一致しません。

だから、「いい人なんだから好きにならなければ」と考える必要はないのです。

恋愛感情は義務ではありません。

相手が素晴らしい人だからといって、こちらに恋愛感情を持つ責任が生まれるわけではないのです。

② ドキドキしない=相性が悪い、でもない

ここが婚活の難しいところです。

好きになれないからといって、すぐに「相性が悪い」と判断するのも、少し早いかもしれません。

特に、これまで刺激の強い恋愛を経験してきた方は、穏やかな相手に物足りなさを感じることがあります。

会いたくて仕方がない。

LINEの返信が気になって何度もスマートフォンを確認する。

相手の一言で天国にも地獄にもなる。

そんな恋愛は、確かに強烈です。

でも、それが結婚生活に必要な感情かというと、私は少し疑問に思います。

結婚生活は、恋愛の盛り上がりだけでは続きません。

疲れて帰ってきた日。

体調が悪い日。

仕事で嫌なことがあった日。

そんなときに、何も気負わず隣にいられる人。

一緒にいて心が落ち着く人。

そういう相手こそ、長い結婚生活では大きな存在になることがあります。

大切なのは、ドキドキするかどうかだけではなく、一緒にいて自分が自然体でいられるかどうか。

ただし、安心感と無関心は違います。

会っても楽しくない。興味が湧かない。相手をもっと知りたいとも思わない。

それなのに、「結婚するにはいい条件だから」と交際を続けるのは、少し違う気がします。

安心できる人なのか。

単に何も感じない人なのか。

この違いは、丁寧に見極めていきたいところです。

③ 「嫌なところがない」は、好きになる理由ではない

婚活では、お相手の欠点探しをしてしまう人もいます。

食事のマナーが気になる。

会話が盛り上がらない。

服装が好みではない。

LINEの回数が少ない。

もちろん、気になる点を確認することは大切です。

しかし、婚活は減点方式だけで進めるものではありません。

逆に、これといった欠点がないからといって、その人が自分に合っているとも限らないのです。

「特に嫌なところはありません」

「悪い人ではないと思います」

「お断りする理由もないんです」

こんな言葉が続くとき、私は少し気になります。

なぜなら、そこには相手に対する積極的な関心が見えてこないからです。

結婚は、嫌いではない人と仕方なく一緒になることではありません。

もちろん、最初から大好きである必要もないでしょう。

でも、せめて、

「もう少し話してみたい」

「こんな一面もあるんだ」

「次はどんな話をしようかな」

という、小さな興味はあってほしいと思います。

恋愛感情という大きな炎がなくても構いません。

でも、小さな火種までないのであれば、無理に燃やそうとする必要はないのです。

④ その違和感は、何から生まれているのか?

ここで一度、自分の気持ちを整理してみましょう。

「なんとなく違う」

実は、この「なんとなく」の中には、いろいろな理由が隠れています。

例えば、話すテンポが合わない。

冗談を言っても通じない。

価値観の違いを感じる。

相手の前で必要以上に気を遣ってしまう。

あるいは、外見がどうしても好みではない。

これらは、すべて同じように扱える問題ではありません。

会話のぎこちなさは、何度か会うことで改善するかもしれません。

緊張して本来の魅力が出せていない可能性もあります。

一方で、相手の言動に違和感を覚えたり、自分の気持ちを軽く扱われたりする場合には、慎重に考える必要があります。

そして、身体的な距離を縮めることに強い抵抗を感じる場合も、無視してはいけません。

結婚生活には、日常的な距離の近さがあります。

触れられることへの抵抗感も含め、自分の感覚を大切にしてください。

ただし、初対面や数回のデートで抵抗があることと、その人を生涯受け入れられないことも同じではありません。

大切なのは、焦って結論を出すことではなく、自分が何に違和感を覚えているのかを具体的にすることです。

理由が見えてくると、交際を続けるべきかどうかも判断しやすくなります。

⑤ 「もったいない」で交際を続けない

婚活で意外と厄介なのが、「もったいない」という気持ちです。

年収もいい。

学歴もある。

仕事も安定している。

優しいし、結婚にも前向き。

これだけ条件がそろっているのに、お断りするなんてもったいない。

確かに、婚活市場で条件の整った人と出会えることは、ありがたいことかもしれません。

でも、考えてみてください。

その人と結婚したら、毎日顔を合わせるのは自分です。

同じ食卓を囲み、休日を過ごし、人生のさまざまな問題を一緒に乗り越えていくのも自分です。

プロフィールの条件が代わりに結婚生活を送ってくれるわけではありません。

他人から見て理想的な相手でも、自分にとって理想的とは限らないのです。

もちろん、条件を軽視しなさいと言っているのではありません。

生活していくための経済力や価値観は重要です。

ただ、条件が良いという理由だけで、自分の気持ちに蓋をするのはおすすめしません。

結婚するのは世間ではなく、あなた自身なのですから。

⑥ 好きになれるかどうかより、「大切にし合えるか」

では、結婚相手を見極めるうえで、何を大切にすればよいのでしょうか。

私は、恋愛感情と同じくらい「お互いを大切にできる関係か」を見てほしいと思っています。

自分の話をきちんと聞いてくれる。

意見が違っても頭ごなしに否定しない。

ありがとう、ごめんなさいが自然に言える。

困ったときに話し合える。

相手の都合や気持ちを尊重できる。

そして、自分自身も相手にそうしてあげたいと思える。

ここが大切なのです。

一方的に大切にしてもらうだけでは、良い関係は築けません。

相手に優しくしてもらうことばかり期待して、自分は何もしない。

そんな関係では、どんなに条件の良い相手でも、いずれ不満が生まれるでしょう。

結婚は、サービスを受ける場所ではありません。

二人で関係を育てていくものです。

だからこそ、

「この人は私を幸せにしてくれるだろうか?」

だけではなく、

「私はこの人を大切にしたいと思えるだろうか?」

という視点も持ってほしいのです。

この問いに対する答えは、結婚相手を見極めるうえで、とても重要だと思います。

⑦ 迷ったら、もう一度会ってみてもいい

婚活では、限られた時間の中で判断を重ねていきます。

お見合いからプレ交際へ。

そして、真剣交際へ。

ある程度のスピード感が必要なのは事実です。

しかし、スピード感と性急な判断は違います。

お相手に大きな問題がなく、ただ気持ちが盛り上がらないだけなら、もう一度会ってみるのも一つの方法です。

最初は緊張していた人が、二度目にはよく笑うかもしれません。

堅苦しい会話しかできなかった人が、趣味の話になると生き生きするかもしれません。

人間の魅力は、プロフィールと一時間程度のお見合いだけで、すべて分かるものではありません。

ただし、何度会っても気持ちが変わらず、相手への興味も湧かないのであれば、無理に続けなくてもいいのです。

時間はお互いにとって大切なもの。

自分の気持ちをごまかして交際を長引かせることが、必ずしも優しさとは限りません。

結婚したいと思ってくれている相手だからこそ、誠実に判断することも必要なのです。

⑧ 結婚相談所は、迷ったときに一緒に考える場所

婚活をしていると、自分の判断が正しいのか分からなくなることがあります。

「理想が高すぎるのかな?」

「もう少し妥協するべき?」

「こんなにいい人を断って、次があるのだろうか?」

そんな不安を、一人で抱えてしまう方もいるでしょう。

でも、結婚相談所にはカウンセラーがいます。

私たちの仕事は、単にお見合いを組むことでも、交際を成立させることでもありません。

お一人おひとりが、自分に合った結婚相手を見つけられるように、考えるお手伝いをすることです。

ときには「もう少し会ってみませんか?」とお伝えすることもあります。

反対に「その違和感は大切にした方がいいですね」とお話しすることもあります。

そして、ときには少し厳しいことを申し上げる場合もあります。

なぜなら、目指しているのは交際の継続そのものではなく、その先にある幸せな結婚生活だからです。

婚活は、誰かに選んでもらうためだけの活動ではありません。

自分も相手を選び、そして相手からも選ばれる活動です。

お互いが納得し、尊重し合い、「この人と人生を歩んでいきたい」と思えること。

それこそが、婚活の大切なゴールではないでしょうか。

最後に ~「いい人」を探すより、「自分に合う人」を探そう~

「いい人なのに好きになれない」

そんなとき、自分を責める必要はありません。

でも、すぐに相手を切り捨てる必要もありません。

ドキドキしないからダメ。

条件がいいから絶対に手放してはいけない。

どちらも少し極端な考え方です。

恋愛感情は大切。

生活の安定も大切。

価値観も、尊敬も、思いやりも大切。

そして何より、お互いが無理をせず、自分らしくいられること。

結婚は、誰かに自慢するためのものではありません。

毎日の暮らしを、二人で積み重ねていくものです。

100点満点の人を探すより、二人で心地よい関係を育てていける人を探してほしい。

私はそう思っています。

結婚相談所ハピネスドアでは、婚活の悩みや迷いにも、丁寧に向き合っています。

「自分にはどんな人が合うのだろう?」

「婚活を始めたいけれど、何から始めればいいか分からない」

そんな方も、ぜひ一度お話ししてみませんか?

あなたがあなたらしくいられる結婚を、一緒に考えていきましょう。

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